拝啓 あの頃の自分へ 小学生編

お前は小学生の頃、なぜだか足だけは速かったな。

 

俺はこのエピソードをもうあまり覚えちゃいなんだが、お母さんから聞いたよ。

体育の時間に一人で大の字に寝てじーっと空を見つめてたって三者面談で当時の担任に言われたよって。授業中なのに。

 

お前は小学生でサッカーの習い事を始めるんだが、周りとも上手く馴染めず、いやそしてサッカーも全く上達せず自分の親にサッカーを辞めたいって言いにいったんだったな。

お前はスポーツというものにあまり興味がなくて、ゲームばっかりやってたからな。

当時ゲーム脳の脅威みたいな本を親が買ってきてお前に強制的に読ませるんだよな。

 

でもそれでもお前はゲームをやめなかったな。

仕方なくゲームは1日1時間までなんてルールを叩きつけられたことだってあった。

 

さて、話が脱線したがお前はゲームがもっとやりたくてサッカーをやめると言いにいったはずなのに今度は父親がお前に野球をやれと言い出したよな。

 

もちろん野球にだって興味がないお前は自分の本音を言えなかったな。

だってお前の父親はすごく怖かった。

逆らおうものならすぐに手が出るそんな父親だったから、野球やりたくないって言えなくて、仕方なくお前は小学校のクラブチームに入るんだ。

 

そのクラブチームはそもそも人数がお前を入れてギリ9人になるかくらいのギリギリなチームだったから、入るや否やお前はすぐにレギュラーで試合に出た。

最初のポジションはファーストだったよな。

 

運動神経、特に球技でのセンスがポンコツすぎたお前は試合の成果もボロボロだった。

 

それを見兼ねたお前の父親は、まるで巨人の星に出てくる父親かのようにスパルタ父と化し、毎日のように家で野球の練習をさせられる毎日が続くんだ。